2022年3月5日 12:00
小松菜奈と坂口健太郎が生きた10年間「全員が命と向き合って戦った時間だった」
ひとりの人生の生きた証を育てたい
ただあなたがそこにいる。それだけで、世界がいとおしい。
そんな人を愛する尊さをかみしめる映画が誕生した。3月4日(金)公開の映画『余命10年』は、数万人にひとりの難病を患い、余命10年となった女性と、生きる希望を失った男性のラブストーリー。難病と戦い、若くしてこの世を去った小坂流加さんの同名小説を原作に、藤井道人がメガホンをとった。
主人公・茉莉を演じるのは、小松菜奈。役づくりにあたって、小坂流加さんのご家族とも話をしたと言う。
「小坂流加さんがどんな方だったのか、どんなふうに小説を書いて、どういうことが好きだったか、そういうことを聞かせていただきました。
中でも印象的だったのは、小坂流加さんは何かをしてもらったら『ありがとう』とちゃんと伝える人だったという話です。あとは、食事に関しても自分で塩分調節をしたり、病気についても自分で調べて、それをファイルにまとめて、どこに何があるのかもしっかり把握されていた。人として自立していて、自分の身の回りのことは自分でする人だったとおっしゃっていました」(小松)
そうした小坂流加さんのことをよく知る人からの言葉は、茉莉を生きる上で血となり肉となった。