2022年3月5日 12:00
小松菜奈と坂口健太郎が生きた10年間「全員が命と向き合って戦った時間だった」
「原作には、闘病中だった小坂流加さんの叶えたかった願いが込められていたように感じる部分もあった。それを、映画にすることで少しでも叶えたいという気持ちがありました。闘病のお話となると、どうしても悲観的な印象を持たれてしまうと思うんですが、このお話はそうじゃない。和人と出会って茉莉の中に生きる意味が芽生えていく。ひとりの人生の生きた証をちゃんとこの映画で育てたいなと思いながら演じていました」(小松)
茉莉と出会う青年・和人を演じるのが、坂口健太郎だ。
「茉莉が抱えていたものを和人が知るのは物語の結構後半の方で。極端な言い方をすると、そこまでの和人はただ茉莉に愛情を向けていられたらそれだけでいいという役なんです。でもそれってすごくシンプルなようで、とても大事なことで。
和人がどういうふうに茉莉を見ていたかで作品の出来が変わってくる。茉莉を見つめる眼差しは大事にしたいなと思っていました」(坂口)
だからこそ、和人が真実を知る場面は、坂口にとっても重要だった。
「どんな気持ちになるんだろうって。ずっと何も知らなかった和人が茉莉から病気のことを打ち明けられる。そのときの感情のぶれは自分でもやってみるまではわからないだろうなと思った。