2022年3月5日 12:00
小松菜奈と坂口健太郎が生きた10年間「全員が命と向き合って戦った時間だった」
(小松)
坂口も、同時にいくつかの作品を並行して撮影しながらも、常に心の中にこの『余命10年』があったと証言する。
「別の作品に入っているときも、茉莉という存在を心の隅に置いておいたような感じはありました。1年という時間があった分、現場から離れているときにも作品について考えることができた。最初に台本を読んで瞬間的に『こういう言い回しなのかな?』と思っていたところが、ゆっくり考える時間をとれることで、こういう言い方もあるし、こういう解釈もあると頭の中で整理できたのは、すごく贅沢だったなと思います」(坂口)
そして、くすぐったそうに頬をほころばせ、坂口はこう付け加えた。
「少し時間があいて、またこの『余命10年』の現場に戻ったときに、久しぶりに会うんだけど、なんだか帰ってきたなという感覚があったんです。それはきっと藤井組の特色でもあると思うんですけど、すごくうれしかった。やり方によっては、2ヶ月でこの作品を撮ることもできたと思う。でも、そしたらまったく違う作品になっていただろうし。
1年という時間をかけたからこそ撮れたものが映画の中に映っている気がします」(坂口)
坂口さんは、人を愛する気持ちを目で伝えられる人
茉莉と和人。