永井真理子インタビュー「やらなければいけないと思ったのは、新しい曲を作るということ」
そうやってライブアレンジでやっていたら、ファンの人たちからセルフカバーをアルバムとして出してほしいっていう声が寄せられるようになって、そんなに望んでくださるんだったら今やっているライブアレンジを集めて作品にしてみようというのがきっかけですね。
――ライブでやるのと作品にするのとではまた違うかと思うのですが、やってみていかがでしたか?
やってよかったと思いました。今の私の声とサウンドでやることによって、懐かしさと新しさが一緒になったというか。それと、曲を提供してくれた作家さんたちへ改めて感謝することができたっていうのがとても大きかったですね。私は活動していなかった期間も長くあったから余計に思うんですけど、楽曲って、それを歌う人がいなかったら終わっていっちゃうんですよね。私のために作ってくださったものを私が歌わなかったら終わってしまう。だからリアレンジして私が歌うことで、それを聴いてくださった人たちの中でまた新たに芽生えるものがあると思うんです。ある時期には、絶対に過去なんか振り返りたくないって頑なになっている時もありましたけど――それはそれで必要なことなんですけどね――ようやくいろんなものをきちんと抱きしめられるようになったんだと思います。