永井真理子インタビュー「やらなければいけないと思ったのは、新しい曲を作るということ」
――若いときの曲を今歌うことで発見するものはありますか?
新曲を歌っているみたいなんです(笑)。若い頃に曲をいただいたときは、ただ無心に必死になって歌っていただけで、そこから何百回も歌って、今はそれぞれの楽曲ごとの景色が違うというか、今の私もそこに加わっているので、すごく新しい体験なんですよね。
――セルフカバーがファンの方々によるリクエストの大きなきっかけとしてあったということですが、2017年の活動再開もファンの皆さんの後押しが大きかったんですよね。そうなんです。10年以上お休みしちゃっていましたし、自分の中でも……歌いたいことや自分の立ち位置みたいなことがわからなくなっちゃっている時期だったんですよね。それまでは、一歩先すらも見ないで勢いで活動してきたわけじゃないですか、せっせと。それがフリーになって、遠い世界に行ったときに、ふと気づけば、後ろを振り返るしかないんですよね。前に何も予定がないから。
そうすると、自分はいったい何を残してこれたんだろう?とか、あのときのあの忙しい自分は忙しいことで「十分頑張ってきた」と勘違いしてただけだったのかな?とか。ちょっと自分のことを責めたりだとか……。