くらし情報『尾上右近「純度100%の歌舞伎愛を伝えたい」 自身の限界に挑む自主公演『研の會』に込めた思い』

2023年6月16日 20:00

尾上右近「純度100%の歌舞伎愛を伝えたい」 自身の限界に挑む自主公演『研の會』に込めた思い

様式美、決め台詞、立ち回りの絵面としての美しさが堪能できる。何よりも人殺しをし、夏祭りの喧騒の中に消えていく男に拍手喝采が起こるというのは「そんなことあるかい」と思いつつ、歌舞伎ならではの臨場感を楽しんでいただけると思います。

尾上右近「純度100%の歌舞伎愛を伝えたい」 自身の限界に挑む自主公演『研の會』に込めた思い

現代美術家・横尾忠則氏に直談判したという特別版ポスター
――『道成寺』はいわゆる道成寺伝説を基にした歌舞伎舞踊。

こちらも話の筋は単純で、男に逃げられた女の執念の物語、とひと言で説明できます。男への恨みで、女が蛇になる。その蛇の怨霊が踊り子に化け、道成寺という寺に現れてお坊さんの前で踊りを披露するのを、お客さまが目撃しているという形で見せる舞踊演目。女形の美しさの要素がふんだんに織り込まれ、ひとりの女性がずっと踊っている中で初恋のような初々しさから強い恋心、それが恨みに変わるまでを表現していきます。様々な要素が入るし、衣裳も変わるし曲もテーマもどんどん変わるので、退屈しない作りですし、筋がなくても楽しめる、古典としての強みが伝わる作品です。


――この大作2本を、1日2回ずつやるのは大変そうです。

そうですね。でもやっぱりコロナ禍以降、ひと月のうちに何役も大役をできるというのは、特に若手にとっては難しくなっていますので、この大変さは自主公演でしかできない。

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