くらし情報『土井監督・有村架純が語る“忘れられない恋”「麦と絹、ふたりと一緒に生きているような感覚でした」』

土井監督・有村架純が語る“忘れられない恋”「麦と絹、ふたりと一緒に生きているような感覚でした」

「どこにカメラを置くかにいつも注意をはらって、ふたりを客観的に観察しているようでありながら、彼らの心情の微細な揺れには臆せずに近づいていく。その“距離感”がすごく難しかったですね。でも、撮影の鎌苅(洋一)さんだったり、照明の秋山(憲二郎)さんだったり若いスタッフが集まってくれたので、彼らの発想とかアイデアを借りながら、非常に良い距離感の映像ができたと思っています。

自分に正直に生きていきたい絹と、社会に取り込まれてしまってそうではなくなってしまった麦がいて、ともすればこの恋愛においては麦くんが悪役というか、悪いという風に描かれがちなんですけど、この映画では決してそういう風には描きたくなかったんです。麦は彼の正直さで、自分と社会をなんとか折り合わせて生きていこうとしている。それぞれが真面目で優しいがゆえに出てしまった結論。僕はそんな気がしています。」(土井監督)

土井監督・有村架純が語る“忘れられない恋”「麦と絹、ふたりと一緒に生きているような感覚でした」

麦と一緒にいるのにひとり、さみしいなあと思っていました

ふたりはいつしか距離や孤独を感じるようになり、それぞれが別れを決意する。映画は麦と絹の距離が近づき、やがて離れていくに連れて劇中の語りのペースをゆるやかに変化させているが、土井監督は全体像から計算して映画のリズムを組み立てたわけではないと説明する。

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