土井監督・有村架純が語る“忘れられない恋”「麦と絹、ふたりと一緒に生きているような感覚でした」
芝居をしてない時間はなるべくコミュニケーションをはかろうと喋ってましたけど、後半の部分を撮っている時は孤独というか、一緒にいるんだけどひとり、みたいな空気もあったので、私も“さみしいなぁ”と思ってましたね」(有村)
繰り返すが、本作では特別なことは何も起こらない。ふたりが偶然に出会って、仲良くなって、同じ時間を過ごしたのちに別れる。それだけかもしれない。しかし、観客は本作を通じて麦と絹と一緒に数年間を過ごしたような不思議な感覚を味わい、言葉にできない強烈な体験と感覚を味わうはずだ。
「映画の前半と後半にファミレスのシーンがあって、撮影でいうとたかだかひと月ぐらいしか経ってないんですけど、ふたりの顔つきが全然違うんですよね。それはぜんぶ撮り終わって、改めて編集してみたときにとても驚きました。彼らの中にちゃんと4年間の時間が、それは言葉で説明できるものではなくて、彼らの存在そのものにちゃんと4年間という時間が感じられた。それは観ている人にもちゃんと伝わると思います。
それはふたりの俳優がちゃんと麦と絹のふたりの時間を生きたってことなのかな」(土井監督)
「すごく不思議で、これまでに体験したことがない体験をした感じがします。