2021年8月26日 12:00
Ensemble FOVE坂東祐大インタビュー/集まって演奏するだけではなくステージを作り込むこと。それがクラシックでもできることを証明したい!
我々はそれをもっとストーリーテーリングしたいという意味です。ステージ全体がひとつの物語のようになっている感じですね。聴衆には“何かを見終わった”という感触を持ち帰って欲しいです。
そこにおいては作曲的な部分の比重がとても大きいと思うのです。構成に関して演奏家だけでは難しい部分がある。かといって作曲家だけでも成り立たない。そこはメンバー全員が様々なアイデアを持ち寄って構成していく感じですね。
ひとつの作品として舞台を作りたいという思いで、シンプルなセットではありますが、舞台装置なども含めてかなりイレギュラーなことをやるつもりです。
――ホールで行うにあたり今までやってきた音楽からどの位変えていったのでしょうか?
『ZINGARO!!!』は当初CDとしてのプロジェクトだったのです。CDとして作品になるべきという考え方ですね。しかし、CDとホールやサロンでの時間のスケールは違うと思うのです。なので、CDで作り上げたものをステージ用に再構成する必要がありました。というわけで、聴衆が予期しないような形での再構成を試みました。FOVEは窓口であるべきだと思っていますので、音楽の敷居を下げるのではなく、間口を広げるといったニュアンスですね。