2022年8月8日 18:00
角野隼斗が愛する「ピアノ協奏曲」と「ゲーム」への思い『BBC Proms JAPAN』インタビュー
授業で与えられる課題は皆のレベルに合わせてあるので、経験者にとってはつまらないものでした。そしたら先生が『これ、やれよ』とショパンのエチュード(練習曲)の楽譜を渡してくれて。開いたら『作品10の1』だったから譜読みをはじめて、それからは音楽の授業は一人でショパンエチュードを練習する時間でした。ジャズやロックに興味を持っていた時期だったのでクラシックピアノに没頭していたわけではないですが、それでも中学3年生の時に「ショパンコンクール in Asia」に出場したり、日々の練習はしていました。
――ショパンエチュード『作品10の1』は、『胎動(New Birth) 』という形で角野さんのオリジナル曲に発展しています。『10の1』は、ショパン「エチュード」全曲の中でも指折りの難曲ですよね。角野さんのピアノには軽やかさや心地よい切れ味、繊細な音色の美しさなど、圧倒的なテクニックのバリエーションをいつも感じます。真面目に練習曲などに取り組むタイプだったんでしょうか。
角野練習曲はもちろんやりましたが、そんなに多くの量をこなしたわけではありません。チェルニーの練習曲を40番の途中まででやめてしまったし、バイエルやブルグミュラーといった定番もどういうわけか通りませんでした。