「発明したものを、実用化したい」上田誠が語る『あんなに優しかったゴーレム』再演

撮影:源賀津己
2008年にヨーロッパ企画第26回公演として初演された『あんなに優しかったゴーレム』が、14年ぶりに再演される。
本作は、ある投手の取材で彼の地元を訪れたテレビクルーが、投手がよくキャッチボールしていたというゴーレム(編注:自力で動く土や泥の人形のこと。一般にはモンスターとして知られている)に出会う、“愛と郷愁のサイココメディ”。今回の上演にあたりリメイクするという本作について、脚本・演出を手掛ける上田誠に話を聞いた。
いま僕らがやるのにふさわしい作品
――2008年に上演された『あんなに優しかったゴーレム』を、今回なぜ再演することにされたのですか?
僕らは「再演をしよう!」と思わなければ、新作をやってしまう集団なのですが、『あんなに優しかったゴーレム』はずっと再演したいなと思っていました。この作品は、割とヨーロッパ企画の原点に近いような、ストレートなコメディ作品だと思っているんですね。群像でワーッと会話をして、言ってしまえば漫才をやっているような、掛け合い、掛け合い、の丁々発止が楽しい僕らの得意技で。前作の『九十九龍城』(’21年12月~’22年2月)ともまた違うタイプの作品なので、今やりたいなと思いました。