2023年11月29日 08:00
林遣都は何者か。その答えに見た、彼の演技に魂が揺さぶられる理由
芝居という正解のない道で、演技という点数のつかない技術を磨く。林は『DIVE!!』からの15年で何を心に刻みながら俳優の道を歩んできたのだろうか。
「『DIVE!!』のときに、熊澤監督から『自分自身を磨き続けてほしい』ということを言われました。いろんな経験をして、いろんなことを知って、自分を高め続けないと、他人を演じることなんてできない。あの頃、僕はまだ10代でしたが、ずっとその言葉を大事にしてやってきたような気がします」
よき俳優である前に、よき人間であれ。俳優修業とは、すなわち人間修業なのだ。
「(林の舞台出演作を数多く手がける)シス・カンパニーの北村(明子)さんからもよく『人を見る目を養い続けなさい』と言われています。そのためにいちばん大事なのは、日々の生活。
ちゃんと生活をすることで、自分を広げて、高める。その積み重ねが、いろんな役に対応できる自分をつくるんです」
決して人前に出るのが得意な人間ではなかった。今も、取材はあまり得意ではない、と少し気まずそうにはにかむ。
「役を演じているときの方が楽しいです。演じているときは、いつもの自分と違うコミュニケーションがとれて、それが心の安定剤になっている。