くらし情報『おとな向け映画ガイド 今週は、かなりオトナな人が主役の3作品をおすすめ。』

2020年6月28日 00:00

おとな向け映画ガイド 今週は、かなりオトナな人が主役の3作品をおすすめ。

『一度も撃ってません』

いまの日本映画には珍しい、余裕すら感じられる洒落たコメディです。70年代の、例えば松田優作が出演したアクション映画や探偵ドラマのテイストもある、日本製ハードボイルドへのオマージュ。「ハードボイルドだど」とあえて茶化して作った、おとなの映画人たちの遊び心に嬉しくなりました。

売れない小説家・市川進。夜な夜な渋いバーに、トレンチコート、黒ハット、薄めのサングラスで現れる、彼の裏の顔は、伝説のヒットマン、殺し屋だった……。よくある通俗的な設定ですが、さらにひねって、でも彼は「一度も撃ってません」てどういうこと?
リアルなハードボイルド小説をめざす彼は、殺しの依頼を受けると、プロに下請けしてもらい、その仕事ぶりを詳細に取材して執筆する。これがリアルすぎて、かえってうそっぽい→だから売れない→だから元教師の妻の年金が頼り。夜のハードな取材で帰っても、朝のゴミ出しの仕事が待っているのです。


この企画は、阪本順治監督の『大鹿村騒動記』で主演した原田芳雄(2011年7月逝去)にゆかりの飲み会が原田邸であり、そこに参加した桃井かおりが、「次は(石橋)蓮司の映画を作ってよ。

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