“そこら辺にいる変なおっさん”として葛飾北斎を描く 舞台『画狂人 北斎』いよいよ上演
今回の舞台を演出するのはミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎等、ジャンルを越える演出家として国際的にも活躍する宮本亞門。2004年、東洋人初の演出家としてオン・ブロードウェイにて『太平洋序曲』を上演し、同作はトニー賞4部門にノミネートされた。
2017年に以前より葛飾北斎のファンであった宮本が北斎の一生を朗読劇という形で表現し、2019年ストレートプレイの舞台作品として初演。この初演舞台の成功を受け、海外への発信・展開を見据えながら再び上演する運びとなった。
変人と評価され、当時ではあり得なかった90年という葛飾北斎の狂気の人生を宮本という演出家の目を通すとどう表現されるのか。評判を博した葛飾北斎の升毅、その娘・お栄を黒谷友香、柳亭種彦を水谷あつし、長谷川南斗を津村知与支が再び演じ、新たに高井鴻山を平野良、峰岸凜汰を陳内将が演じる。
有名高貴な画家という観点ではなく、そこら辺にいる変なおっさんという目線で北斎を捕らえ、その北斎に迷惑を被ったり、影響を受けたり。そこに纏わる江戸の人間と現代人が往き来しながら、宮本亞門ワールドは舞台上から何かを問いかけてくるだろう。
個性あふれるあり得ない組合わせのキャストと、あり得ない発想をするスタッフたちのアイデア、あり得ない人生を全うした葛飾北斎が現代に問う人間感に注目してほしい。