くらし情報『アンジェラ・アキ、『この世界の片隅に』とミュージカル音楽を語る【前編】~台詞と歌の一体感と、童謡のような懐かしさは“狙って”いた』

アンジェラ・アキ、『この世界の片隅に』とミュージカル音楽を語る【前編】~台詞と歌の一体感と、童謡のような懐かしさは“狙って”いた

――ということは歌だけではなく、台詞のシーンの後ろで流れている音楽も、編曲家や音楽監督ではなくすべてアンジェラさんが作曲されたのですか?

はい、全部私です。私は口うるさい作曲家だから(笑)、編曲にも「晴美はフルートにしたい」「弦楽器はこういうラインで」とかって口を出させてもらっていました。といっても、ミュージカルはコラボレーションで作る総合芸術だから、一方的にということではもちろんなくて。編曲・音楽監督の河内肇さんは、私が曲を作り始めた3年半前から加わってくれていて、一緒に試行錯誤しながら完成させていったという感覚です。私がずっと悩んでいたコードを、河内さんが最後の最後に「こうしたらいいんじゃない?」と変えてくれて、「ありがとう、私がやりたかったのにできなかったのはそれよ!」となったこともありました(笑)。

アンジェラ・アキ、『この世界の片隅に』とミュージカル音楽を語る【前編】~台詞と歌の一体感と、童謡のような懐かしさは“狙って”いた

ミュージカル『この世界の片隅に』より©こうの史代/コアミックス・東宝製作:東宝
――台詞と歌の一体感はまた、台詞と詞に“説明し切らない”という共通点があるからでもあるように思います。それが結果的には、頭ではなく心に入ってくるような本作の上品さに繋がっていると思うのですが、創作中には、もっと説明しないと伝わらないという不安に駆られることもあったのではないかと。

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