くらし情報『アンジェラ・アキ、『この世界の片隅に』とミュージカル音楽を語る【前編】~台詞と歌の一体感と、童謡のような懐かしさは“狙って”いた』

アンジェラ・アキ、『この世界の片隅に』とミュージカル音楽を語る【前編】~台詞と歌の一体感と、童謡のような懐かしさは“狙って”いた

そこは、「お客さんを信じよう」と……?

私は、「一豪さんを信じよう」でした。もっとはっきり言ったほうがいいのか、逆にもっと抽象的にしたほうがいいのか、私は結構ブレてたんですが、一豪さんは常に明確だったんです。でも一豪さんは、「そこまで言わないで」とは言っても「だからこう直して」とは言わないから、キャッチボールしながら作るのが本当に楽しかったですね。ただ、日本語の美しさを絶対に守ろうという思いは私の中に強くあったから、開幕会見で大原櫻子ちゃんが「どこか懐かしい感じが全曲に共通してる」と言ってくれた時は、「たまたまじゃないの、そこは狙ったのよ!」って(笑)。
――そうだったんですね! 詞も曲も日本的というのは私も感じていたことなので、その“狙い”、ぜひ詳しくお聞きしたいです。

アンジェラ・アキ、『この世界の片隅に』とミュージカル音楽を語る【前編】~台詞と歌の一体感と、童謡のような懐かしさは“狙って”いた


曲の話になりますが、明治時代にヨーロッパに勉強に行った山田耕筰先生のような作曲家が、戻ってきて書いた《赤とんぼ》といった日本の名曲には、独特の温かさがあるじゃないですか。それはメロディーもハーモニーも、洋楽を取り入れた邦楽になっているからなんです。勉強してきたことをただ真似するんじゃなく、日本人の琴線に触れるものにしたいって、先生たちが試行錯誤して作った名曲たちが、歌い継がれて現代の私たちにも親しまれている。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.