古代オリエントからルネ・ラリック、濱田庄司まで240点を紹介 パナソニック汐留美術館『香りの器 高砂コレクション展』
古代オリエントの香油壺や、アール・デコ期の香水瓶など、「香り」にまつわる器を集めた展覧会『香りの器 高砂コレクション展』が1月9日より、パナソニック汐留美術館で開幕した。3月21日(日)まで開催されている。
この展覧会は、2020年で創業100年を迎えた高砂香料工業が収集した香りにまつわる資料、美術品から、「香りの器」に焦点を絞り、約240点を展示するもの。高砂香料工業は日本画家・甲斐庄楠音の兄、甲斐庄楠音が創業した日本最大の香料メーカー。現在まで50年以上にわたり香りや香料の文化を伝えるものを広く収集していることでも知られている。
本展は「第1章 異国の香り」と「第2章 日本の香り」の2部構成。第1章では、古代メソポタミアやエジプトから始まった香りの歴史を紐解きつつ、陶器やガラスの器の変遷を見ていく。
展示風景より。古代オリエントやイスラーム世界の香りにまつわる器が並ぶ
かつて、香油や乳香、没薬など「香り」を持つ素材は、力を持つものとされ、宗教的な儀式において使われていた。そして時代が進むにつれ、王や貴族などが用いる贅沢品として用いられるようになる。それゆえに「香り」を保存する器も、価値のある豪華なものが用いられていた。