2023年10月30日 12:00
【おとなの映画ガイド】パリで繰り広げる女たちの悪だくみ!人気監督フランソワ・オゾンのおしゃれな犯罪コメディ──『私がやりました』
舞台は、1930年代のパリ。新人女優のマドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)は、映画プロデューサーの大御所に声を掛けられ豪邸を訪ねるが、役とバーターで愛人関係を要求され失意のまま帰宅。しかしこともあろうにそのプロデューサーの殺害事件が起きて、彼女が容疑者となってしまう。恋人との仲もうまくいかず、気分はどん底。そんな窮地の中、彼女のルームメイトのポーリーヌ(レベッカ・マルデール)が、「これは逆にチャンスかも…」とある計画を思いつく。それは、犯行を自供し、「身持ちの堅い女性が男性に襲われて名誉と身を守るために反撃した」と正当防衛を主張、これで名声を勝ち取るという法外な案だった。
果たして、法廷で、“パワハラ被害にあった新人女優”を演じきったマドレーヌは無罪を勝ち取ると、悲劇のヒロインとして一躍時の人に。ポーリーヌにも弁護のオファーが殺到。すべてが順調に動くように思えたが、そこに、とんでもない“ヴィラン”の登場。すっかり落ちぶれたサイレント時代の大女優・オデット(イザベル・ユペール)が現れて……。
破天荒な展開なのだが、映画にテンポがあって、どんどんとのせられてしまう。
いまのフランスを代表する俳優、イザベル・ユペール。