私たちはいつも“仮面”をつけている!? 『泣きたい私は猫をかぶる』監督が語る
『ペンギン・ハイウェイ』で注目を集めたスタジオコロリドの最新作『泣きたい私は猫をかぶる』がNetflixで全世界独占配信されている。本作を手がけたのは『おジャ魔女どれみ』『ケロロ軍曹』など数々の名作を手がけてきた佐藤順一監督と、本作が初の長編監督作品になる柴山智隆監督。ふたりはファンタジーの要素が満載の本作で、丁寧にキャラクターの感情を積み上げ、普遍的なドラマを描き出した。主人公と同じ若い世代も、かつて青春時代を経験した大人もグッとくるドラマはいかにして生まれたのか? 両監督に話を聞いた。
本作の主人公・美代はいつも陽気な中学二年生。周囲をアッと驚かせる行動を繰り返し、周囲からは“ムゲ(無限大謎人間)”と呼ばれているが、本当は周囲の空気を過剰に気にする性格で本当の気持ちを明かせないままでいる。想いを寄せるクラスメイトの日之出に対しても、ストレートに気持ちを伝えられず空回りばかり。そんなある日、彼女は夏祭りにいた猫の店主から“かぶると猫に姿を変えられるお面”をもらう。
猫に姿を変え、日之出のもとをたずねるムゲと、猫にだけ自分の本当の想いを告げる日之出。ふたりの不思議な関係は続いていき、ムゲは猫でいる自分に気楽さを覚えるが、猫の店主がムゲに「人間を捨て猫として生きていく」