『蜜蜂と遠雷』松岡茉優・松坂桃李インタビュー 「アトラクションのようなアグレッシブな映画」
私は松坂さんにもギャップを感じていて、優しい行動なのに、その中に相反する感情があって。ライバル心ではなくて、ちょっとした野次馬心。昔から聞いていた元天才少女が困っているっていう野次馬心もあったと思うし、ピアニスト同士のエゴイズムがあるから、真っ直ぐじゃない感情。音で言うと倍音が存在しているような、ふたつ音が聞こえるようなすごいお芝居をなさるなって思っています」(松岡)
今回の映画では、役者、ピアニスト、演奏指導者など、多くの人と関わりながらひとつのキャラクターを作り上げてきた。これまでにない経験をどう感じたのだろうか?
「演奏の指導をしてくださる先生と最初にお会いした時に、明石のプロフィールをその方が作ってきてくださったんです。僕は役作りでそんなことをやったことがなかったので、すごく刺激的でした。面白かったのが、プロフィールとか凄く細かく書いてあるんですよね。明石のカバンの中身とか(笑)。
僕は明石をこう思いますって。驚きましたね。弾き方も体の構造から入るんですよ。筋肉がどうで、骨がどうでって説明されるから、あれ?これ、ピアノの練習の授業じゃなかったっけ?って。これがふたりで作っていく感じなのかなって思いましたね」