史上最速!公開10日で興行収入100億円を越えた『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』、歴史的大ヒットの要因を掘り下げる
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
文:大高宏雄(映画ジャーナリスト)
ぴあアプリ版連載「大高宏雄 映画なぜなぜ産業学」から転載
10月25日、公開10日目で興収100億円を突破した。日本で公開された作品として、史上最速の達成だ。社会現象化していたアニメーション『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(以下、『鬼滅の刃』と表記)である。ここで改めて、興行について整理する必要にかられるが、その前に一つ言っておきたい。今回の歴史的な大ヒットに対して、前例のないほど取材を受けた当方が言うのも何だが、少し騒ぎ過ぎの印象も持ち始めている。メディアの反応が尋常ではないのだ。ただ、そうは言いながらも、興行的に具体的な数字を上げて記述しておくことは、公開2週目段階ではあるが、今後のためにも重要と考える。騒ぎ過ぎず(難しいが)、冷静かつ客観的に少し掘り下げてみよう。
まず、すでに広く知れ渡っている確認事項をしておく。スタート成績が歴代最高であった。公開初日の10月16日(金)から18日(日)までの3日間で、全国動員342万0493人・興収46億2311万7450円を記録した。上映館数は403で、スクリーン数は明らかではない。