2021年6月30日 17:00
『ロミオとロザライン』作&演出・鴻上尚史インタビュー「川崎皇輝が誠実に愛し、あがく姿が観客の胸を打つ」
今回も若手キャストが揃う中で、彼らをどんなゴールへ導いていこうと考えていらっしゃいますか?
「ちゃんとした役者になってもらいたい」に尽きますね。稽古場であの手この手を使って働きかけている最中です(笑)。
──川崎さんとは初対面でワークショップをされたとか。鴻上さんの「あの手この手」ぶりが気になります。
修飾語が山ほどあるシェイクスピアのセリフを皇輝にぶつけて「これって何を言いたいんだと思う?」と問いかけていますね。朗々といっぱい喋っているけど、結局、伝えたいことは何なのか。いつも「ロミオはどういう感情なんだと思う?」と投げかけている。
俳優って、最後は自分から役の気持ちを見つけていかないと伸びないんだよね。
「こう動いて」「このシーンはこんな感情だろ?」って演出家がすべて答えを与えてしまったら、俳優はどんどん受け身になってしまう。だから皇輝にはセリフに対する質問をたくさんして、考えてもらっています。
──考え抜いた結晶を表に出す川崎さんのセンスは、今のところ鴻上さんにどう映っていますか?
よくやっていますよ! 恋愛ものなのでどこまで言っていいのかなぁ……でもわかっているのは「皇輝はそれほど恋愛が得意ではないらしい」