2021年6月30日 17:00
『ロミオとロザライン』作&演出・鴻上尚史インタビュー「川崎皇輝が誠実に愛し、あがく姿が観客の胸を打つ」
彼女の舞台俳優としての魅力を、鴻上さんはどのあたりに見出していらっしゃいますか?
あおいはね、嘘をやらない潔さがある。本人は「不器用」と言うんだけど、不器用のプラス面は適当な嘘でごまかさないこと。すごく信頼できますね。
今日、モノローグの稽古で急に涙があふれ出てきてセリフが言えなくなってしまって。「どうしたんだよ?」って聞いたら、「ジュリエットの部屋で、ロミオがジュリエットとふたりでいると思うと涙が止まらない」って。
──嫉妬の感情が吉倉さんの中に降りてきた?
自分の中にある真実の感情で演じようとしたんだね。
──ジュリエット役の飯窪春菜さんは、2011〜18年にモーニング娘。としてアイドル活動を行っていました。
彼女のキャリアは、本作にどんな影響を与えると感じていらっしゃいますか?
春菜はさすがアイドルやっていただけあって、ガッツがある。すごく喰らいついてくるし「本気で女優になりたい」ってエネルギーを感じます。
──ジュリエットはロミオを翻弄するんですか? それとも、ただそこにいるだけでロミオが惹かれてしまうような存在として描かれるんでしょうか?
翻弄するわけじゃなくて、ロミオを大好きになるってことだよね。