「北アルプス国際芸術祭2024」11月4日まで開催中 10月12日からは「マームとジプシー」の野外公演「equal」の上演も
こちらは、イギリスのアーティスト、イアン・ケアによる《相阿弥プロジェクトモノクロームー大町》と題した作品。水墨画を想起させる高さ20メートルもの巨大な絵画が風にたなびき、森の木々や差し込む光とともに荘厳な光景を創り出している。
イアン・ケア《相阿弥プロジェクトモノクロームー大町》
かつて大町市と八坂村をつなぐ最重要ルートとして開削された旧相川トンネル。南アフリカのアーティスト、ルデル・モーは、今は使われていない古いトンネルのなかに2体の魚のような形をしたレリーフを設置した。廃墟となったトンネル内を浮遊しているかのような2体の魚はこの土地の土や竹で作られており、自然にさらされ、やがて土へと還っていく。「非永続性」をテーマに作品を制作しているモーが、トンネル内に創り出した夢と現実の狭間のような空間だ。
ルデル・モー《Folding》
(左)魚のような生き物をモチーフとしたレリーフ(左)ルデル・モー※写真右
地域の人々が集う八坂公民館を、竹を編み込んだ造形でぐるりと一周囲うというダイナミックなインスタレーションを展開しているのは、台湾のアーティスト、ヨウ・ウェンフー〈游文富〉。竹が波をうっているようなデコボコとした囲いの形状は「風のかたち」