シュツットガルト・バレエ団プリンシパル、エリサ・バデネスが、ふたりのヒロインへの思いを明かす
一番の出来事は、昨年、素晴らしいプロジェクトに取り組んだこと。この10月にドイツで公開される、クランコのことを描いた映画(ヨアヒム・ラング監督『クランコ』)で、彼のミューズだったマリシア・ハイデを演じたのです。この映画では『オネーギン』創作当時のことが描かれます。撮影現場にはマリシアも来ていたのですが、ここで私は『オネーギン』が実際にどのようにして始まったのか、またその背後にあるジョンのアイデアをより深く理解することができました。
『オネーギン』より(photo: Stuttgart Ballet)
──撮影現場ではハイデさんから直接アドバイスを受けられたのですか?
私、すごく緊張していたんです。だって彼女自身を演じるのですから(笑)!でも、最高のアドバイスをもらいました。「エリサ、あなたは自分自身のままでいなさい」と。私が、「いや、私はあなたのことを演じるのですよ」と訴えると、「大丈夫。
そのままで大丈夫よ」と言ってくれたのです。完成した映画を見て、彼女が「とても良かった」と言ってくれて、やり遂げることができたんだなと思いました。
──ところで、世界バレエフェスティバルのBプロでは、ケネス・マクミラン振付の『うたかたの恋(マイヤーリング)