シュツットガルト・バレエ団プリンシパル、エリサ・バデネスが、ふたりのヒロインへの思いを明かす
──この作品に初めて触れる人も多いかと思います。どんなところに注目すべきでしょうか。
難しい質問だけれど、このバレエに関しては、事前の知識がなければないほどいい体験になると思います。とてもわかりやすくて入り込みやすい物語ですから。初めてバレエを観た時のことを覚えていますが、それはもう想像以上に特別でした。バレエってこんなに演劇的で、こんなに美しいんだって!とくにこの作品では、まっさらな状態で劇場に来ていただいて、登場人物たちと共感して、恋におちて、泣いて、ただその瞬間を楽しんでいただけたらと思っています。
マリシア・ハイデのアドバイス
──日本公演でのもうひとつの演目、『オネーギン』は、クランコの代表作であり、日本でも1973年以来幾度も上演、その度に観客の心を捉えてきました。ご自身も6年前の日本公演でヒロインのタチヤーナを踊られていますが、この6年間で、タチヤーナへの向き合い方、踊り方に変化はありましたか。
いつもいつも、この役を踊ることを喜ばしく思っています。言語化することは難しいけれど、6年の間にいろんなことがあったので、もともとあった知識や感覚に加えて、身体に染み込んできたものがたくさんあったと感じています。