reGretGirl 『SUMMER ONEMAN LIVE 2024 “ひとりだと思わないためのホール編”』 初めての試みを満載した東京初ホールワンマン公演レポート
そんな時期があったからこその今を、視覚とともに届けてくれた感じなのだ。少し大人になった視点は続く「月の色」で、恋も友情も含んだ大切な人を祝福する歌に自然とつながる。大きな満月が写し出される中、言葉を大事に丁寧に重ねられていくアンサンブルはホールで聴けたことに感謝したくなった。
十九川宗裕(b)
ホールならではの演出でreGretGirlの世界観を立体的に届けた後は、いつものライブハウスの熱量をそのままこの場所に移すようなアップチューンを連投。ユーモア万歳の「KAWAII」ではファンも思い思いのアクションで楽しみ、まるでアメリカのフリーウェイを爆走するように「ルート26」では痛快に飛ばす。さらに、イントロで起きた歓声の大きさにこの曲の求心力を確認した「ピアス」。痛みでしか君とのつながりを感じられないというヒリヒリした若さの激情は、ある程度大人になって薄れたとしても、決してなくならない感覚であることをこの日のセットリストの大事な箇所で再認識させてくれた。
本編ラストを前に平部はホール公演に挑んだ理由めいたものを話してくれたと思う。
距離が遠く感じても音楽がちゃんと届けばむしろひとりじゃないと感じるのでは?それだけのものを観せるのだ、という意思を持ってきっと今夏のワンマンを決めたのだと思う。