2021年12月13日 12:00
梅沢富美男が「人情芝居に歌と踊り、どれも満足いただける」と自信、泉ピン子と明治座で新年祝う
そういう意味で、ピン子さんとは何十年かぶりに手応えのあるお芝居をさせてもらった感覚です。久しぶりに興奮しましたね。
――現代は昔と比べて、人情を感じにくい世の中になっている気がします。そんな中で、梅沢さんがこのお芝居をつくった理由は?
梅沢僕が人情芝居に取り組もうと思ったのは、2011年の東日本大震災がきっかけでした。被災地を訪れて、津波の被害に遭った80代くらいのおばあちゃんにお会いしたんですね。その方が「梅沢さん、私死にたいよ」「この世に神様がいるんだったら、こんなことむごいことしない」って言うんです。
泉ご家族を亡くされたの?
梅沢息子さんご夫婦とお孫さん2人の4人を亡くして、おばあちゃんだけが助かったの。
泉え……(絶句)
梅沢「私の命を差し上げますから、神様がいるなら4人を返して」と泣くんですよ。
何かお声がけしようと思ったんですが、声が出なかったですね……言葉が見つからなかった。そうしたら、おばあちゃんの面倒を見ている中学2年生の女の子が「おばあちゃんダメよ、そんなこと言ったら。せっかく助かったんだから、がんばろうね」と励ましていて。でもその子、津波でご両親を亡くして天涯孤独なんです。