2022年7月19日 18:15
『地球がまわる音を聴く』森美術館にて開催中 アートを通してコロナ禍以降の「ウェルビーイング」を考える
作品の中心部から上を見上げると、テラコッタ製の肺の彫刻が吊るされている。自身の呼吸や身体について意識させられる作品だ。
奥:金沢寿美《新聞紙の上のドローイング》2022年手前:モンティエン・ブンマー《自然の呼吸:アロカヤサラ》1995年 DCコレクション(チェンマイ)蔵
金沢の黒いカーテンのように見える作品は、新聞紙を10Bという濃い鉛筆で塗りつぶし、つなげたもの。1枚の新聞紙を塗りつぶすのに3日間かかるという。そして、彼女が気に留めた言葉や写真は塗りつぶされず残り、宇宙の星のように空を漂っている。
金沢寿美《新聞紙の上のドローイング》2022年部分
ツァイ・チャウエイ(蔡佳蔵)の《子宮とダイヤモンド》は、密教からインスピレーションを得て、仏教の教えを図解した両界曼荼羅の形式を踏襲した作品。両界曼荼羅は、胎蔵界と金剛界の2つの世界を表したもので、鏡で作られた曼荼羅の上には、胎蔵界部分にはガラスの彫刻、金剛界部分にはダイアモンドが配置されている。周囲の風景を写し込んだ幻想的な世界が広がっている。
手前:ツァイ・チャウエイ(蔡佳蔵)《子宮とダイヤモンド》2021年奥:「5人の空のダンサー」