『生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ』レポート 約30年ぶりの大回顧展が世田谷美術館で開幕
の名古屋CBC会館壁画や瀬戸市民会館陶壁など、ようやく実現した壁画制作へとつながる。名古屋旧カゴメビルの壁画原画について「トマトという名前はメキシコの先住民の言葉に由来する、メキシコとつながりの深い食べもの。メキシコではポピュラーな緑のトマトの種を取り寄せて、自ら栽培しながら描いたといいます」(塚田)。
《名古屋旧カゴメビル壁画原画 TOMATO》1962年頃カゴメ株式会社
「会場をぐるっと回り、ずいぶん旅をしたなという感じを持っていただけたら嬉しいです」と塚田。画中に時折見られる「バッタ」は北川の分身だそうだ。近年復刊された著書『絵を描く子供たち』には、社会を変えようと人々が声を挙げるアメリカやメキシコに比べ、日本人は運命的に捉えて戦おうとしないといった難しさも綴られている。1989年に没後も、作品を通して「自由とは何か」を伝えてくる草の根の画家を今こそ見直したい。
取材・文・撮影(提供写真以外):白坂由里
<開催概要>
『生誕130年記念北川民次展―メキシコから日本へ』
2024年9月21日(土)〜11月17日(日)、世田谷美術館にて開催
公式サイト:
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/
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