くらし情報『【特集・沢村一樹さん】建築家・谷尻誠さんと語る、住まいと暮らしと仕事のこと(前編)』

【特集・沢村一樹さん】建築家・谷尻誠さんと語る、住まいと暮らしと仕事のこと(前編)

お施主さんから「全部好きにやっていいよ」って言われたら、逆に困ります。負荷がないと、限界の力が出せない。わがままとか無理難題を言ってくれるから、負荷がかかって、それを超えるアイデアが生まれると思うんですよ。

沢村さん:もし、お施主さんがわがままを言ってくれなかったら、どうするんですか?

谷尻さん:負荷がないときは、絶対にないですね。みんな、500円を持ってチャーシュー麺を食べに来るんですよ。本人は500円で食べられると思っているけど、実際は800円なんです。でも、「500円で800円のチャーシュー麺を食べさせてくれ」という人と、「500円しかないけど、一緒に新しいチャーシュー麺を作りましょう」という人だと、前者は“ただのわがまま”なので、そういった人の仕事はなかなかできません。ただ、後者の場合は、もしかすると“チャーシュー”を“鶏”に変えれば、もっとおいしいものができるかもしれないですよね。
そういった可能性を一緒に探っていくことが大事なんだと思います。

(後編につづく)

【沢村一樹(さわむらいっき)】

1967年7月10日生まれ、鹿児島県出身。今年4月からスタートした連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK総合)

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