風景に溶け込む、築40年の平屋でスローな暮らしを満喫【我が家の暮らし #1】
と優子さんは言います。部屋のどこにいても姿が見えたり、声が聞こえたり、家族の気配を感じられる。そんなところが平屋の魅力のひとつなのだそう。
哲さんも「家族を感じることができる」ことが魅力であり、なおかつ、家のなかで過ごしているときも、視線が水平方向に抜けて、伸びやかで開放的な空間体験が得られることが心地よいそうです。
四季を身近に感じながら季節に応じて暮らす
台所をのぞかせてもらうと、テーブルの上に大根が置いてありました。「近くの畑で採れたものです」と優子さん。近所の方から畑を借りて野菜の栽培をしているそうです。
畑へ案内してもらいました。こどもたちが走り、「おかあさん、キンカン食べていい?」とお兄ちゃん。畑に1本植えられているキンカンの木から実をもぎって、口に入れます。最初は1区画からスタートし、いまでは、貸主の方がご高齢で畑仕事がきびしくなってきたため、優子さんがお手伝いをしているのだとか。できた野菜や果物はご近所さんや友達におすそ分け。
畑からの帰り道、沈む夕陽が町をきれいに黄金色に染めていきます。家々からは生活の気配を伝える明かりがポツリ、ポツリと灯りはじめます。