「リノベーション分野は今後さらに大きく成長する」〜HEAD研究会理事長・松永安光〜
HEAD研究会とは、厚いベールに包まれた「建築」というジャンルの風通しを良くする存在
ーまずはHEAD研究会を設立された動機から伺いたいのですが。「私は当時、鹿児島大学を辞して東京で再び実務に戻ったばかりでしたが、身近にいたある人から建築業界の現状に問題提起をされました。今の建築業界に関わっている人の大半は、例えば仕事を頼んだ時でも、ユーザーに対して何も情報を開示しないで、そちら側だけで勝手に進めてしまうきらいがある。ビジネスというものは、ユーザーファーストでしっかりユーザーの意向を汲み取った上でのサービスを提供するものだと思うが、建築業界はあまりにも大上段からモノを言い過ぎる。こういうのはダメなのではないか、こういう事をしていると先がないのではないか、と感じている。そうではなくて、もっとキチンと自分達のサービスの質を高めて、対等なビジネスモデルを構築するのが必要なのではないか、そんな問いかけを貰いました。事実、自分が経験してきた中でも確かに思い当たる節がありました。簡単に言うと建築家先生が主で、仕事を依頼している方が従という関係性ですよね。
加えて実際に作業をする現場で動いてくれている、例えば職人さんんなども待遇が悪いとか、そういった話もよく耳にしました。