[法律コラム]離婚後に妊娠発覚! どちらの子どもになる?
と推定する旨の規定を置いています。つまり、法律上は「離婚の日から300日以内に生まれた子」は、「元夫の子」と推定されるわけです。2年間別居中で一度も会っていない夫だとしても、「離婚後300日以内に生まれると元夫の子」と扱われてしまうのです。通常このような場合は新恋人や再婚相手の子どもである可能性が高いはずなのですが。
この場合、元夫の子でなく扱うためには、離婚後に懐胎した旨の医学的証明書を役所に提出するか、家庭裁判所における手続きを踏まねばなりません。具体的には、家庭裁判所に対し「親子関係不存在確認の調停」か「認知の調停」を申し立てます。これらの調停が不成立となった場合は、さらに、「親子関係不存在確認の訴え」や「認知の訴え」を提起する必要があります。なお、元夫からは嫡出否認の訴えができます。
これらの調停や裁判によって、「元夫の子ではない」という判断をもらって、ようやく、元夫の子ではない扱いにすることができます。
このように、300日問題は、「絶対に元夫の子どもではないはずなのに裁判所の手続きを踏まない限り原則これを覆す方法がない」という意味で、実情と合致しないと批判されています。離婚の泥沼裁判が終わってほっとしていたら、その後300日以内に女性に子どもが生まれ、また裁判騒ぎに…なんていうことも起こりうるのです。