ジミー・ペイジ演奏なし問題…イベント主催者はチケット代を返金する義務があったの?
このケースでも、観客の主催者に対するイベントの一部解除は認められる可能性が高いでしょう。他方、主催者はジミー・ペイジに対して「出演契約」違反に基づく損害賠償請求ができます。
逆に、出演契約においてジミー・ペイジが演奏することが契約内容になっていなかったにもかかわらず、あたかもジミー・ペイジが演奏しなかったと虚偽の説明をしたようなケースを想定してみましょう。こうしたケースでも、同様に、観客の主催者に対するイベントの一部解除は認められる可能性が高く、加えて、ジミー・ペイジ側も主催者に対して名誉棄損等の法的措置を採ることが可能と考えられます。
■法律的には全額返金の義務があったかどうかは微妙
イベント終了直後からジミー・ペイジ目当てに来た観客の間では、契約全体の解除(=返金)を求める声がどんどん盛りあがり、最終的に主催者も全額返金に踏み切りましたが、法的には、全額返金が認められるかどうかは、ジミー・ペイジが演奏しなければ社会通念上イベントの目的が達成できないといえるかどうかがひとつの基準になります。
たとえば、今回のイベントが、ジミー・ペイジ以外はほとんど無名のアーティストしか出演しないようなイベントの場合は、ジミー・ペイジが演奏しなければ社会通念上イベントの目的が達成できないといえるでしょう。