くらし情報『妊娠中絶手術の6日後に死亡…手術との因果関係が認定されたらどんな罪に?』

妊娠中絶手術の6日後に死亡…手術との因果関係が認定されたらどんな罪に?

業務上堕胎(致死)罪に問われるのは執刀医個人です。」(渡邊寛弁護士)

それでは、病院に責任はないのでしょうか。

「病院(医療法人)は刑法上の責任は負いませんが、一般的な監督を超えて、上司が母体保護法指定医でない医師にあえて中絶手術を指示していたような場合は、上司個人が共犯となる可能性はあります。」(渡邊寛弁護士)

行政処分についてはいかがでしょうか。

「行政処分も通常は執刀医個人に対してなされます。もし業務上堕胎(致死)罪で有罪となると、執刀医は、戒告、医業停止又は医師免許取消の行政処分の対象となり得ます。

執刀医個人や病院には民事上の損害賠償責任も生じ得ますが、母体保護法指定医でなかったことだけではなく、施術自体に過失があったかどうかなどが問題になります。」(渡邊寛弁護士)

語弊が無きよう繰り返しますが、手術と死亡の因果関係は不明とされています。ただ、無資格での執刀自体は許しがたいものであることに変わりはありません。

お亡くなりなられた方のご冥福をお祈りいたします。

*取材協力弁護士: 渡邊寛 (和田金法律事務所代表。

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