くらし情報『東京五輪に向けて「新テロ対策法案新設」へ…その概要と懸念点とは』

東京五輪に向けて「新テロ対策法案新設」へ…その概要と懸念点とは

 

■団体の存続目的はどう判断?健全な団体のプライバシーが侵害される恐れも

しかし、団体の存続目的が犯罪実行であるのではないかと疑われた場合には捜査が開始され得るわけですから、実際には犯罪目的ではなく適法な活動を行うことを目的とする市民団体に対し、通信傍受等の捜査が行われて、構成員の通信の秘密やプライバシーの権利が侵害されるおそれは否定できません。

特殊詐欺(振り込め詐欺など)を行う集団が、会社形態をとって通常の事業活動に見せかけ、法人名義で架電のための部屋を賃借することを行っている事実があるように、団体の存続目的は一見して明確にわかることは多くありません。

そして、特殊詐欺集団の場合は、部屋を借りる行為や法人名義の口座開設行為が犯罪実行のための準備行為に当たるわけです。

このように、団体の存続目的という外観からは一見して明らかでない要件によって、事業活動行為が犯罪の構成要件に該当するか否かを左右しかねないわけですから、やろうと思えば、政府は、正当な捜査目的を盾に、気に入らない思想を持った特定の団体を捜査対象とすることも可能になってしまいます。


■今後さらに慎重な議論が必要

犯罪遂行意思の連絡・謀議という「共謀」

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