オフィスで同僚が私物を勝手に持っていく…訴えられるか真面目に考えてみた
A.難しい。
「“訴えるのは難しそうだ”という結論は、弁護士に聞かなくてもなんとなくお分かりいただけると思います。
ですが、せっかくですので、ここでは少し真面目に考えてみましょう(仮に、タバコやお菓子の金額は500円とします)。考えることは2つあります。刑事上の問題と、民事上の問題です」(多田弁護士)
■刑事上の問題は?
「まず刑事上の問題を考えてみましょう。
タバコやお菓子は500円する立派な“財物”ですから、刑法上は“窃盗罪”(刑法235条)に当たる可能性があります。ですが、現実問題としては、警察に捜査してもらおうと思ったら、あなたは警察に「告訴状」を出さなければなりません。
告訴状の作成を弁護士に依頼することもできますが、間違いなく500円以上かかります。
なので、自分で作ることになるでしょう。こうして自分で作った“告訴状”を警察署に持っていったとしても、被害が500円では、警察が動いてくれることはないでしょう。同僚の窃盗行為に、刑罰を科すほどの違法性がないからです(“可罰的違法性がない”といいます)。刑事上はここで終了です。どうやら、会社の同僚に刑事罰が科されることはなさそうだというのが結論です」