テレビで勝手に顔出しされていた!肖像権の侵害じゃないの?
重大性や社会的関心によって変わる
プライバシー権や肖像権がどこまで認められるかは、一般市民と公人・芸能人などで違いがありますか?
川浪弁護士「芸能人・公人についても、肖像権やプライバシー権が認められますが、特有の事情は考慮されます。(なお、芸能人等については氏名や肖像が経済的価値を有する場合があり、その場合にはその経済的価値をコントロールする権利としてパブリシティ権が問題となりますが、ここでは割愛します。)
語弊を恐れずにいえば、著名人になる道を選択したのだから、世間の注目を浴び、ある程度プライベートが晒されてしまうことについては、自分でも分っていたはずでしょう、ということです。いわゆる有名税みたいな考え方ですね。
ただし、著名人だからといってなんでも晒されていいわけではありません。例えば、ジャニーズ事務所所属タレントの自宅の住所を載せた『ジャニーズおっかけマップ・スペシャル』の出版の差し止めを認めた裁判例があります(東京地裁平成10年11月30日判決)。著名人といえども、自らの住所について公表されることまで、承諾しているとは考え難いということですね。」
それでは、一般人でも何らかの事件に関わっている疑いを持たれていた場合はどうでしょうか?
川浪弁護士「事件の内容、疑いの程度等にもよりますが、例えば、犯罪に関与しているような場合、自己の容ぼうが無断で撮影・放映された場合に被る精神的苦痛は甚大といえます。