【ロバート・馬場裕之氏推薦! 】村井裕一郎 著『ビジネスエリートが知っている 教養としての発酵』2024年1月16日刊行
例えば、食の最先端技術であるフードテック分野では、発酵はすでに大きな潮流となっています。
代表的な事例は、「代替タンパク質」の分野です。
現在、地球全体の人口がまだまだ増えると予想される中で、人類がタンパク質を動物を中心に摂取し続けることが、環境への負荷になると問題になっています。
そのため、肉や魚に代わる代替タンパク質に注目が集まっており、2030年にはその市場規模は3兆円を超えるとも。その代替タンパク質をつくる方法の1つとして、発酵に注目が集まっているのです。
知れば日本文化を自信を持って紹介できる!発酵の基礎知識
実は、厳密な定義があるわけではない!━「発酵」と「醸造」の違い━
発酵によく似た言葉に「醸造」があります。「発酵」は英語で言うとfermentation(ファーメンテーション)、「醸造」は英語で言うとbrewing(ブリューイング)です。
英語に直したとき、「醸造」は動詞からきた名詞であることを示す「ing」が付いています。
このことから、「醸造」は人間の関与度が高いニュアンスを持つことがうかがえます。
「発酵」か「醸造」かは、人間がどこまで微生物が物質を変えていくプロセスをコントロールしたいかによって用語を使い分けているとも言えるでしょう。