大阪初の洋式ホテル開業で外交を支えた夫婦を描く 直木賞作家の朝井まかて最新長編『朝星夜星』発売
という丈吉の言葉は、『朝星夜星』というタイトルに通じるものですが、料理好きの著者の顔も垣間見られます。
『朝星夜星』について
【あらすじ】
長崎の貧しい農家に生まれた丈吉は、18歳で出島の仲買人に雇われ、ボーイ、洗濯係、コック見習いになる。そして21歳のときにオランダ総領事の専属料理人になり、3年後に結婚。夫婦で日本初の西洋料理店を開店する。店には、陸奥宗光、五代友厚、後藤象二郎、岩崎弥太郎といった綺羅星のごとき男たちがやって来る。明治の世になり、大阪へ移った丈吉は、天皇が出席する式典などで饗応料理を提供するまでになるのだが……。
【著者】
朝井まかて(あさいまかて)
1959年、大阪府生まれ。甲南女子大学文学部卒。
2008年、小説現代長編新人賞奨励賞を受賞してデビュー。13年、『恋歌』で本屋が選ぶ時代小説大賞、14年、同作で直木賞、『阿蘭陀西鶴』で織田作之助賞、15年、『すかたん』で大阪ほんま本大賞、16年、『眩』で中山義秀文学賞、17年、『福袋』で舟橋聖一文学賞、18年、『雲上雲下』で中央公論文芸賞、『悪玉伝』で司馬遼太郎賞、大阪の芸術文化に貢献した人に贈られる大阪文化賞、20年、『グッドバイ』で親鸞賞、21年、『類』で芸術選奨文部科学大臣賞と柴田錬三郎賞を受賞。