旬を先取りしていた『古畑任三郎』 「話題作り」にとどまらない“刺激的”なキャスティングとは? ドラマ識者が解説
![古畑任三郎を演じた田村正和さん (C)ORICON NewS inc.](https://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexpub%252Ffeed%252FOriconStyle%252F2024%252FOriconStyle_2333556%252FOriconStyle_2333556_d3122a614d98902c4205_1.jpg,small=600,quality=80,type=jpg)
古畑任三郎を演じた田村正和さん (C)ORICON NewS inc.
フジテレビで再放送された『古畑任三郎』は、田村正和さん演じる主人公・古畑が難解なトリックを見破るさまが見どころだったが、毎話登場する犯人=豪華ゲストも注目されていた。トレンドを先取りした巧みなキャスティングについて、ポップカルチャー研究者の柿谷浩一氏(早稲田大学招聘研究員)に解説してもらった。
■流行をピンポイントで押さえていた『古畑任三郎』
『古畑任三郎』をまとめて見返すと、作品の持っていた“熱”、とりわけ“時代を取りこむパワー”を改めて実感した。田村正和にしかできない個性的なキャラ、精巧なミステリー仕掛け、三谷幸喜らしい絶妙な喜劇色…。魅力を挙げればキリがないが、何と言っても「ゲストの豪華さ」が肝だった。
人気の若手・中堅から、円熟したベテランまで。毎回の犯人役は芸歴・年齢だけでなく、ジャンルもドラマや映画にとどまらず、歌舞伎やミュージカル、演劇の舞台など、多彩なキャスティングで圧倒した。そんな顔ぶれのなかに、放送当時の“テレビの旬”がしっかり詰まっていたのが特色。
印象的なのは「当時のドラマといえば…」という流行をピンポイントで押さえていた点だ。