くらし情報『32歳で完全に視力を失い…難病を患っても医師になった理由「限定的な視野に縛られていた」』

32歳で完全に視力を失い…難病を患っても医師になった理由「限定的な視野に縛られていた」

教科書でその症状を調べてみると、幼少期の記憶に思い当たる節がありました。

例えば、暗いところで見えないという「夜盲症」。思えば、学芸会で舞台が暗転した時、あるいはキャンプファイヤーで火が消えた時、周りのみんなは暗がりの中でもスタスタと歩いていました。ところが私にとってそこは深く真っ暗な森に迷い込んだような感覚を覚える場所。一寸先を認知することができず、うまく歩くことができませんでした。

そして、見えている範囲が狭いという「視野の狭窄きょうさく」。他の人の視野がどんな広さかは知りようがないので気づくことができませんでしたが、今思えば野球をやってもボールがすぐに視界から消えてしまってバットはいつも空を切るばかりでした。

サッカーをやっても、どっちが敵のゴールかすぐに見失っていました。
まあこれはただ単に運動音痴だったのかもしれませんが……。

「治療法はない」

網膜色素変性症について教科書で調べると、そう書いてあり、驚きました。ただその頃は眼鏡をかければ問題なく見えていたこともあり、「症状は個人差があるから、まあ何とかなるだろう」と楽観的に考えていたのです。ところが不思議なもので、診断がつくとまるでドミノ倒しのように、みるみる視力の低下が進みました。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.