星野真里×加藤ローサ『きみ継ぐ』 原作者とドラマ側で合致した思い、女性同士の恋と親子愛に「少し前は断られることも多かった」
だけど、友だちとしては好きだけど、恋愛対象としては見られない。そういう相手に好意を寄せられた時に、どう応えたらいいかという葛藤って、きっと多くの方が経験したことがあると思うんです。
──相手が異性同性に関係なく。
【小川まるに】はい。好意を否定するのはいけないことだとされがちですが、好意に応えられない側の苦しみもあるわけで。萌音にはそうした難しい感情をすべて背負わせてしまいました。「実は最も多くの方が共感できるキャラクターなのでは?」とも思っていたので、萌音についてはとても考えながら大切に描いてきました。演じるのも難しいキャラクターだと思いますが、ドラマ視聴者さんにも萌音の複雑で繊細な感情が伝わればいいなと思っています。
■「多様性」を頭でっかちで考えるのではなく、大切な人の幸せを願う“当たり前”のこと
──『きみ継ぐ』を描くにあたって、大切にしてきたことを教えていただけますか。
【小川まるに】本作もそうですが、私が描く人物はあまり突拍子もない考え方をする人はいないんです。それはたぶん私が平凡な人間だからだと思うんですけど(笑)、多くの方が考えるようなことしか私も考えられない。それをマンガとして読んでもらうために、“当たり前”のことを掘り下げる、というんでしょうか。