【4/28公開のシネマ!】『ザ・スクエア 思いやりの聖域』ー毒とユーモアで人間の本性を暴くー【MiLuLu】
人間の本質である“醜さ”
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学校の教室、街の掲示板、行政のポスターには、「人に思いやりを持ちましょう」「寛容な社会を目指しましょう」という、ちょっというフレーズが溢れています。しかし、これらのメッセージに反対する人は少ないにもかかわらず、実際に実践してみると困難に直面することでしょう。例えば、SNSなどで寛容な社会を訴えるリベラルな人たちが、自分の正義に1mmでも反対する人を見つけては、口汚く罵っているだけでなく、よく吊るし上げている行為を目にします。
本作では、コンビニでチキンナゲットを買ってあげるシーン、トークショーに新京成の患者が紛れ込むシーンなど、全編を通してシニカルな笑いが多く描かれ、純粋なブラックコメディとして楽しめます。しかし、映画の内容に引き込まれるほど、目を背けたくなる人間の醜さが露わになり、居心地が悪くなってくることでしょう。