ほんのり心が温かい、ずっと「つづく」が大切と思った美術展 【ミナ ペルホネン/皆川明】と【ハマスホイとデンマーク絵画】
という確かめたい気持ちが沸いたからです。
展覧会は、4つのパートから構成されています。第1章は「日常礼賛−デンマーク絵画の黄金期」、第2章「スケーイン派と北欧の光」、第3章「19世紀末のデンマーク絵画−国際化と室内画の隆盛」、第4章「ヴィルヘルム・ハマスホイ−首都の静寂のなかで」です。第1章では、日常の風景やポートレートで、デンマークの穏やかな日常生活を紹介しています。人々が毎日を感謝して、大切に生きているという、静かに表現されていて、見ているわたしも穏やかな気持ちになりました。
第2章は、スケーイン派。スケーインとは、ユトランド半島の端にあるバルト海と北海に囲まれた漁師町で、そこを訪れた画家たちをスケーイン派と呼ぶようになりました。ここに展示されている絵画は、第1章とは打って変わって、ビビッドで力強く、自然を相手に生活をする厳しさが描かれているものも多くありました。
特に、ミケール・アンガの「ボートを漕ぎ出す漁師たち」(1881年)という作品は、海難救助に向かう漁師たちの緊張感、使命感、切迫感が現れていて、自然を受け入れるという姿を感じました。