くらし情報『巨匠ソクーロフが語る新作映画『ファウスト』』

2012年6月27日 15:14

巨匠ソクーロフが語る新作映画『ファウスト』

表現を的確にするためにどれほどの時間をかけ努力したでしょうか!それを映像創作にすべて受け取るというのは不可能です。映画制作は、ゲーテの偉業にくらべればまったくの短期間でなされますから」。

そこでソクーロフ監督は「原作の移し替えではなく、その意味、考え方を基礎にした映像化」を行ったという。もちろん、『ファウスト』がもつ普遍性や魅力には最大限の敬意がはらわれている。「善と悪、生と死、愛と憎しみなどを含めたあらゆる問題が『ファウスト』という作品に反映されています。そこに提起された課題は未だに解決されていません。すべてが込められています」。

観客はこの物語がもつ普遍性や壮大な物語に圧倒されるだろう。
さらにスクリーンに広がる映像美にも驚嘆するはずだ。「前もって撮影監督ブリュノ・デルボネルとは主に叙事詩のリズムについて話し合いました。しかし映像美に係る上で私が大きな影響を受けたのはエル・グレコをはじめ19世紀の画家たちからです。映像技術には、絵画の水準に追いつけないという欠陥が未だにあります。ですから私が最も心がけたのは“光の絵”を作ることでした。照明と色彩の助けを借りて、生命、生活の雰囲気を伝えることでした」。

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