2012年12月10日 16:35
このふたり“同じ人”に見える? 映画『ルーパー』が試みた工夫とは?
僕とブルースが完全に同じ顔になるのは不可能だが、観客がブルースを観たときに『ああ、確かにこの男は“30年後の同じ人物”だ』と感じられるように化けさせてくれた」と振り返る。確かに本作の場面写真に登場するレヴィットは『(500)日のサマー』や『インセプション』で見た彼よりも鋭い顔つきになっている。
もちろん、レヴィットは“見た目”以外の部分もウィリスに近づくべく工夫をした。「彼のことを研究しまくったよ。彼の映画をたくさん観たし、彼の映画から音声だけを録音してiPodで彼の声を何度も何度も聞いたんだ。それにモノローグのシーンがあったんだけど、その台詞を彼が録音してくれたんだ。彼の声だとどんな風に聞こえるのか僕がわかるようにね。でも一番大事だったのは“彼と一緒に過ごすこと”だった。
夕食を食べたり、会話したりね。彼のことを人として知ることが一番参考になった」。
現代はCG技術も発達しており、ひとりの人間がキャラクターの“過去”と“未来”を演じ、同じ画面の中に登場することは可能だ。しかし、本作ではあえてふたりの俳優が“ひとりの人間”を演じることで生まれるドラマを、物語の中に巧みに取り込んでいる。『LOOPER/ルーパー』
2013年1月12日(土)公開
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