くらし情報『夏樹陽子が語る『あいときぼうのまち』

2014年6月20日 16:43

夏樹陽子が語る『あいときぼうのまち

特筆すべきは原発問題を点で捉えていないことだ。長き歴史という線で捉えられたドラマは、原発問題の本質に肉薄。同時に単に“福島で起きたこと”では片付けられない日本で繰り返される悲劇の構造までもが浮かび上がる。「原発事故を福島で起きたことで済ましてはならない。日本で起きたことと考えなくては。福島の人々に想いを馳せ、日本人の歩んできた過去と現在を見つめたとき、みえてくることがたくさんある。その上で、これからの未来を考えていかないといけない気がします」。

劇中で、演じたのは原発建設に最後まで反対した父をもち、不遇な少女時代の記憶が今も甦る愛子。
還暦で“あの日”を迎えた彼女と孫娘の怜子に訪れる突然の別れと切れることのないつながりにもまた深い意味が隠されている。「東日本大震災では多くの人が深い悲しみに直面されたと思います。でも、誰のせいでもない。自分自身を責めないでほしい。私はそんなことをふたりが互いに抱く愛情から感じとりました」。

最後にこうメッセージを贈る。「悲しいけど人は忘れやすい。だから、こういった作品を通し、震災を後世に伝えなくては。
この作品が福島の人々及び震災で傷ついた方々の心に小さな希望の火を灯すものになってくれたらうれしいです」。

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