「見て、触れて、味わって……色々な感動をお魚からいただいているわけですね。お魚は身をもって色々なことを教えてくれるので“たかがお魚”なんて思ったら失礼ですし、調べれば調べるほど、知れば知るほど、お魚のことが愛おしくなるのです。この映画でも、お魚それぞれにキャラクターがあり、面白さが違うんです。マンボウのユーモラスな感じだったり、カジキちゃんのシュッとした姿や群れで動くところ……動きもリアルで、クリエイターの先生方が長い時間をかけて研究することで、お魚たちへの愛情が大きくなっているのを感じました」
さらに、さかなクンは、映画の中で描かれるマーリンとニモの親子像、親に会いたいと願うドリーの姿に感動したようだ。「さかなクンは小さい頃から絵を描くことが好きで、ハイハイするぐらいの頃から夢中になって絵を描いていました。小さい頃はトラックをよく描いていたんですけど、母は清掃局の車庫に連れて行ってくれたし、お魚が好きになってからは、街で一番大きなお魚屋さんに連れて行ってくれました。家庭訪問で学校の先生が母に『魚のことに夢中なので授業に集中させてください』って言った時も、母は『それでは、みんなが同じ子どもになってしまいます。